2022年10月11日火曜日

原因分かった

JA22Wのクラッチの滑りの原因が分かった。
交換した部品を処分する時、もう一度よく見たら気が付いた。

ダイヤフラムが割れてるじゃんw

一ヵ所亀裂が出来ている。

こんなのは初めて見たw
破断面からして無理な力が掛かったとかではなく、疲労破壊の様だ。


 おそらく何らかの原因で疲労破壊したのだと思う。
よくよく考えてみると滑る症状に気が付く数日前に、クラッチを切った瞬間に妙な振動が一度あった。おそらくその時に割れたのだと思う。確か普通に信号待ちから発進する時だった。その時は変だとは思ったが、その後は滑りに気が付くまで普通に走っていたので気にも留めなかった。
ダイヤフラムが割れていては圧着力が低下してしまう。
しかしこの部分が割れるってどういう事だろうか?
交換してから約一年で1万Kⅿちょっとで割れるってのは、どう考えてもおかしい。
ディスクやカバーの摩耗もほとんどない事から、取り付けに問題があったとも思えない。
そもそもダイヤフラムの様なスプリング材が疲労破壊する事が不思議だ。
ダイヤフラムの製造か材質に問題があったのではないだろうか?
クラッチカバーはスズキの純正部品でアイシン製の様だ。
とりあえずスズキ部品センターにクレームとしてメーカーに調べてもらう事にした。
工業製品とはいえ、ある程度の不良品が発生するのは仕方のない事ではある。
問題は不具合が発生した時にしっかりした対応をしてくれるかだ。

しかしとりあえず原因が分かってよかった。
とは言え無駄に強化クラッチカバーに換えたり、M/T二度も脱着したりで手間が掛かった・・・
お客さんのクルマじゃなくてよかったw

2022年10月10日月曜日

ジムニーのクラッチ滑り?

自分で普段の足代わりに使ってるJA22Wは20万km越えた。
昨年クラッチを交換して1万kmちょっとしか走ってないのだが、4速や5速で加速時に4~5千rpmで滑る様になってきた。トルクピーク辺りで回転は上がるが車速は上がらない・・・
発進時は異常がないし、低速では滑る感じもない。

とりあえずクラッチを見てみる事にした。
外してみたが摩耗してはない。デスクの厚さは規定値内だった・・・
そうなるとM/Tかトランスファなんだろか?
しかしM/Tには滑る要素は構造上ないはずだ。トランスファもないよな・・・

ミッション外すついでで、中古を手に入れて交換する事にした。
3速と4速が微妙にギヤ鳴りする事があったのでOHしたかった。多分シンクロメッシュが摩耗しているのだろう。
中古品を使ってる間にOHするつもり・・・
届いた中古品は銀スプレーで銀粉仕上げされてたw
元のM/Tはクラッチレリーズレバーシャフトのブッシュが大分摩耗していたが・・・
中古品」の方が程度がよかったw
17万㎞程度のものだったらしい。

アウトプットのオイルシールは交換した。
これ、取り外しには要注意。

元々のM/T自体はオイル漏れしてる訳ではないが、デスビからの微妙に漏れるオイルでベトベトになっていた。
デスビ直したいがどうしたものかな・・・

とりあえずクラッチはそのまま組み直してみる。
M/T付けようとして問題発覚・・・
ブロック側のボルトネジ山が切れちゃってるw
ネジ山はいくらか余裕があって奥の方が残ってた。
同じ強度区分のボルトで長めのを見つけてきた。

ボルトが入るぎりぎりの長さまで切りつめて、残った奥のねじ山に掛かる様にしてみた。

なんとか規定トルクで締め付けられたw
M/T載せ替えてみたが、当然の事だが症状は改善されなかった・・・
しかし中古のM/Tは調子よくてギヤの入りはいい。とりあえずOHしなくてもいいかw

トランスファは大丈夫なのか?
元々のトランスファに交換してみる事にした。
音が出ていて直したかったが、まだ直していないw
しかしこれでもやっぱり直らない・・・
やっぱクラッチかw

12ヵ月点検やる事ついでで、クラッチを交換してみる事にした。
右前ハブのガタが多くなってきて音も出てきたので、これも交換する。
左は前の持ち主の時に交換してあった。これも寿命か・・・

プレスで抜き取る。

ちょうどいいコマがなかったから、何かのタイミングベルトのテンショナーをちょっと削って使っ圧入。インナレースを押さない様にアウタレースに当てて押す。

オイルシールは何かのベアリングのアウタレースを使った。

本当ならキングピン廻りをOHしたかったが、他の部分で費用と手間がかかったので先延ばしする事にした。
その代わりハブロックは分解清掃する事にした。
開けてみたら案の定デロデロになっていたw
この部分は年に一度ぐらいで整備しないといけないな・・・

フロントのパッドがぎりぎりになってたので交換。
研磨しようかと思ったディスクは、いつもやってくれてた業者がやめてしまったので、仕方なく社外品の安いのに交換。一応トキコのだからいいかw

去年の時点で交換時期になっていたのだが、なんとか一年持ってくれた。
よく使ったなw

キャリパもOHした。
フロントブレーキ廻りはほぼ新品になった。
制動の左右差が微妙にあったが、これで直るだろう。

クラッチは仕方がないので強化デスクカバーを使ってみる事にした。
念のためデスクも交換。これは純正品を使う。

強化ディスクカバーはダイヤフラムの形状が大分違う。圧着力が40%大きいらしい。

外したカバーは摩耗はほとんどない・・・
造りはちょっと違うが構造的には大きな違いはない。

右が外したディスクで、左が新品。
厚さが違うのは使ってた方は圧が掛かってたからだと思う。

摩擦材に摩耗はほとんどない。
なんで滑る?
今回の12ヵ月点検で交換した部品。結構重整備になってしまった・・・
クラッチ交換したら滑りはなくなった。やっぱりクラッチが原因だった。
しかしなんで滑るんだろか・・・
一つ考えられるのはタイヤが6.50R16を使ってる事。ノーマルより10%ほど大きいので、それで滑るのだろうか?
しかしエンジンはほぼノーマルなので、そんなにトルクが掛かってるはずがない。
カバーのダイヤフラムがヘタった?・・・それが考えられるが、しかし原因が分からない。
とりあえずしばらく様子を見よう。
しかし本当に修理しながら乗ってるなw


2022年8月10日水曜日

2CVのフレーム修理

 

シトロエン2CVが来た。80年代最後の方ので、ポルトガルで生産してたんだっけ?
フレームにひび割れが入ってしまったので熔接修理のご依頼。普段から実用で使っているらしく、13万km程度の走行距離。
リフトで上げてみようと思ったら、幅が狭すぎてリフトに掛からないw


どうしたものかと考えたが、工場を探したら鉄骨が出てきた。これを掛けて上げてみる事にした。

なんとか上がったw
本来ならやっちゃいけない方法かもしれないが仕方がない・・・

亀裂は右前のサスアームのピボットを固定してる部分に入ってる。
しかしサスは不思議な構造だな・・・

あ~、結構重症だ・・・
持ち上げたらエンジンの重みで開いてきてしまったw
当初は亀裂が広がらない様に下側に補強を入れればいいと思っていたが、とてもそんなのでは間に合わない。

リフトで上げての作業は諦めて、馬に掛けてエンジンをジャッキで支えて作業する事にした。

足回りを外してみる。
サスのピボットはテーパーローラーベアリングが入っていて、ちょうど2tクラスのリアハブによく似た構造になってる。ゴムのブッシュの様なものと違って、こういった構造だと高周波の振動はそのまま伝わるので、疲労破壊の原因になるのかもしれない。
しかし面白い構造だ。ピボットのシャフトはステアリングラックユニットが入っている。スイングしてもトー変化が小さく収まるのだろうか。

ピボットシャフトを固定するマウントベースの前後でフレームが切れている。
千切れる寸前って感じ・・・

持ち主が自ら直そうと熔接しようとしたらしく、溶け落ちて穴が開いてるところもあった。
鈑金が薄すぎてアーク熔接では難しいよな・・・

左側は異常はなく健全な状態だった。

とりあえずピボットシャフト&ステアリングラックユニットを外す。
持ち主曰く、一度これが折れてしまって右の前輪が脱落して、交換した事があるとの事。フレームの割れはその辺りが原因だったのかも。

思った以上に重症だ・・・

どうやって直したものか・・・

左側は問題なし。
しかし驚いたのは2CVのシャーシって新品が今でも作られているらしい。
https://mcda.com/accueil/6097-plate-forme-ezinguee-traitement-cataphorese-modele-berline-lot-bouchons.html
意外と安い気もするが、日本に持ってくるにはいくらになるのだろうか?
しかし車台番号を職権打刻してもらうには申請がとても面倒・・・
そもそも全部バラバラにする勢いになるから、とんでもない工数になりそうだw

とりあえず破れてる部分を斫ってみる。

ピボットシャフトを固定するブラケット部を取り外した。
フレームはブラケットの前後で割れてしまって、下側の皮一枚でくっ付いてる状態だった。
脱落する寸前だw

中を覗いてみると内側にも亀裂が出来てる・・・

とりあえず内側の亀裂を熔接するために表側を切り開く。

TIGで熔接する。
狭くて姿勢が悪いのと、錆びもあって非常にやりにくい・・・なんともお粗末な熔接痕になってしまった・・・orz
フレームは0.7~1㎜の厚さの鈑金で出来てる。この手のものにしては、かなり薄くて華奢な作りだ。
内部は大分錆びてはいるが、意外と錆は進行していない。案外質のいい鉄を使っているみたいだ。同時代の国産車ならザクザクに錆びてしまっているだろう。

1㎜厚のSPCC板を切り出す・・・

曲げる・・・

現物合わせで加工する・・・

貼り付ける・・・

継ぎはぎ・・・

内部に防錆塗料を吹いて開口部を塞ぐ。
作業姿勢が悪くて熔接しにくい・・・

残りの欠損部を作る・・・

仮組して位置決め・・・

あとはサポートを熔接するだけ・・・

その前に防錆塗料を塗っとく・・・

サポートを熔接。これでなんとかなった・・・けど、補強入れないと心配だ。

L字のアングルを加工して補強を入れた。やっと熔接作業が終わった・・・
こうしておけば応力は分散して、また割れる事もなかろう。

防錆塗料を塗っておく・・・

黒塗りする。なんとなくそれらしくなったかw

今回切り取った破片がこれ。
切った張ったの現物合わせの熔接作業だった。
実作業時間より段取りを考える時間の方が長かった。よく考えて作業しないと面倒な事になるし、取返しの出来ない事態にもなりかねない。

足回りを組んでやっと馬から降ろせた・・・


面白いのがミッション後端のマウントはサスのピボットシャフトに付いている。
よくよく考えてみると駆動トルクの反動が直接フレームに掛からない様になっているんだな。
華奢なフレームで大丈夫なのは、こんな工夫があるからなのかもしれない。

サイドスリップを確認したら規定内に収まっていた。
仮のウインカーを適当に付けて試運転に行ってみた。
ちゃんと真直ぐ走ったw
2CVって初めて運転してみたが、独特のフニャフニャな乗り心地が面白い。
なんとなくスバル360に似ている。フロントサスはひっくり返すとよく似たレイアウトなので、スバルは2CVもよく研究したのだと思う。
ちゃんと走る事は確認できたが、ステアリングホイールのセンターがずれていた。
外す時に合わせマークは付けていたのだが、どうやら最初からずれていた様だ。
もう一度ステアリングシャフトを抜いてスプライン一個分ずらしたらセンターが合った。手間掛かったなw

フェンダーの取り付けはちょっとコツがいるらしいので、持ち主にお願いしたw

やっと完成w
イレギュラーな修理方法だったが、クルマとしての残りの寿命から考えて必要十分なんじゃないかと思う。いくらでも費用を掛けられる訳でもないしねw
これからも元気に走ってくれればと思う・・・