2023年8月4日金曜日

エブリイに電磁デフロック付ける


4WDのDA17エブリイのリアデフに電磁デフロックの取り付けのご依頼。
とりあえずデフユニットの中古をヤフオクで買ってもらった。
この手の仕事は現物合わせでやらなければいけないので、現車の取り外してやってたら動かせなくなって困るw

DA62・64・17とも、リアのデフ玉の寸法はJA11ジムニーのフロント用と同じだが、リングギヤのボルト穴がJA11は8本だがエブリイは10本の違いがある。
JA11フロント用の電磁デフロックはET207だが、10本ボルトなのでJB23の後期型フロント用のET206を使えばよさそうだ。
エブリイはドライブシャフトのスプラインが22枚なので、強化シャフト用でないET206-22を選べばいい。

とりあえずET206-22を仕入れた。
付くのか・・・?

念のため芯ブレを見た。純正デフ玉は0.01㎜程度。

ET206-22は0.07mm程度振れてる。
JA22のフロントに組んだ時は0.08mmだったから、この手の精度はこんなものなのかもしれない。


とりあえずデフサイドベアリングが必要になる。

リングギヤを組んでベアリングを圧入する。
以前自分のJA22のフロントに組んだET207-22はリングギヤの間に入れるスペーサーが付属されてたが、今回のET206-22にはそれがなかった。
測った寸法的になくてもいいだろうと組んでみたが、この後えらく面倒くさい事になろうとは・・・

仮組してみる。
やっぱりドライブピニオンが当たるw
ジムニーのリア用は当たる事はないらしいが、フロント用はドライブピニオンを削る必要があるんだな。


当たらなくなったw

マグネットの配線を通すための穴をあけてネジを切る。

ケーブルグランドを取り付ける。

配線できてバックラッシュを調整しようとしたら問題発生・・・
マグネットがデフキャリアに当たって調整できないw
やっぱりスペーサーが必要なんだな・・・


電磁デフロックを仕入れた業者さんに聞いてみた。10本ボルト用のスペーサーの設定はないとの事だった・・・
10本ボルトはJB23のフロント用なのだが、JB23はスペーサーが必要ないから設定されてないらしい。
鉄板切って作るのも面倒なので8本ボルト用を穴をあけ直す事にした。
事情を話したらスペーサーを無償で送ってくれた・・・ありがたや~w


穴の位置出しが面倒だなと思っていたが、デフ玉を利用してあけ直す事にした。
適当なペンを差したら位置決めできたw


10.5mmのキリで穴あけた。

上手い事できたw

サイドベアリングが圧入されてしまってリングギヤが外せないので、スペーサーを真っ二つに切って組む。

これでバックラッシュ調整できるかと思ったが、今度はボルトの頭がキャリアに当たるw

ボルトはスペーサーを入れるために長い物に換えた。JA22のリア用を流用。
DA17は約16㎜だが、JA22のリア用は20㎜ある。
ちなみにJB64のリア用は18㎜だった。

ボルトの頭を削る事にした。

ドリルに咥えて回転させながらベルトグラインダーで削った。

面倒くせ~w

これでバックラッシュの調整できる・・・

その前にマグネットの動きが渋いのに気が付いた。
固定金具の穴がマグネットの突起の熔接ビードに当たっていた。

金具を押して当たらない様に調整した。
この時点では気が付かなかったが、マグネットの固定ピンは少し削っておくべきだった・・・その理由は後ほどw


やっとバックラッシュの調整ができた。

とりあえず動作確認。マグネット通電前のオープン状態。


通電してピニオンを回すとカムが動いてロックする。

光明丹を塗って歯当たりを確認。


配線は端子のカシメが微妙なので、念のため全て半田付けしておいた。

やっと本体への取り付け。
予めデフユニットを別で作っておかないと、長期間預かる事になって厄介な事になる。中古を用意してもらってよかったw

デフはLSDが入っていたのだが、舗装路で普通に乗るとズリズリうるさいとの事で電磁デフロックへの換装となった。

デフユニット外すためにはドライブシャフトを外さないといけない。
ドラムのバックプレートも外すので、あとでブレーキフルードのエア抜きも必要になる。
シャフトのオイルシールも念のため交換した。
結構手間が掛かるのだ・・・



いざ取り付けの段になったら問題発覚・・・
デフ玉がホーシング側に引っ掛かって入らないw

この角お部分が引っ掛かるんだな・・・

こうしてみると分かるが、微妙に出っ張るのだ。

仕方がないのでホーシング側を削る事にした。

微妙に削った。切子の掃除がめんどくさいw





今度こそ嵌ったw

デフオイルを注入する段になって気が付いた。
マグネットの固定ピンがフュラーボルトに干渉してるじゃんw
デフユニット取り付け前に気が付いてればピンを削っておいたのに・・・

フュラーボルトのネジの長さは余裕があるので、削って短くする事にした。

大分切り詰めたが、ネジには余裕があるので大丈夫w

近所のホームセンターで買ってきた。


こんな具合に使う。
プラプラしてるとケーブルグランドのところで断線する可能性がある。


配線は運転席足元の水抜きの穴から引き込んだ。
デフまではブレーキの配管に沿わせて配線した。

最後に面倒だったのがスイッチの配置。
微妙な大きさなので、そのままでは取り付けができない。
スイッチパネルに二個分のスペースがあったので、ここに横向きに付ける事にした。

メクラブタ二個分を接着して・・・

切り抜いて・・・

取付てやっと完成~
スイッチがフロント表示なのは仕方がないw
問題なく動作もして一安心。
しかしえらい手間が掛かったな・・・w

2023年6月30日金曜日

エンジン載せ替え


AZR60のヴォクシー、走行距離は15万㎞。オイル管理が悪く、2千㎞も走るとオイル残量が1ℓ程度しか残らないほどにオイルを食う状態になってた。
高速を走っていたら焼き付いてレッカーで運ばれて来た。
オイルパンを外してみたら、砕けたコンロッドが出てきた・・・


車検2か月ほど前に車検取ったばかりだったので、中古エンジンに載せ替える事になった。
しかし軽のエンジンと違って、載せ替えは厄介だな・・・


とりあえず引っ剥がしていく・・・
エンジンはサブフレームごと下に引き出すのだが、配線や配管を片っ端から外していかなくてはいけない。

インジェクションの配線がどうやっても取れない・・・

どうなってんだ?と、用意した中古エンジンを見たら、インレットマニホールドを外さないとインジェクションの配線は取れないんだな・・・

この状態からインマニを外すのだが、隙間が狭くてえらく面倒くさい・・・

エンジン載せ替えで基本手時に特殊工具は必要なかったが、燃料ラインのカプラーだけは本来必要になるみたいだ。
普通によくあるカプラーとちょっと違うが、どうやって外すんだ?


ビールのアルミ缶を切って、巻いて押し込んだら外れた。

こんな構造になってた。

なんとか引き出せた。

いい使い方ではないが、なんとか作業台に乗った。
昔廃材を自分で熔接して作った作業台だが、結構重宝している。

サブフレームから外して、トランスミッションを分離。

トルコンがオイルまみれで、リアシール漏れてるんか?と思ったら、コンロッドの破片がブロックを突き破っていたw

中古エンジンとミッション合体。
中古エンジンは業者から入手したが、アイシス用のものが届いた。
ノア・ヴォクシーとアイシスのエンジンは同じ物らしい。
アイシスの方が程度のいいエンジンが多いそうだ。
そういえばうちのお客さんを思い出すと、ノア・ヴォクシーは子育て中の若い夫婦が多く、アイシスはどちらかというと年配の人が多かった。
年配の人はメンテナンスをしっかりしてオイル管理も確実なのだが、若い人は車に無頓着な事が多く「オイル交換って何?」みたいな事を言う人もよくいた・・・

サブフレームに乗っけて・・・

車体に付いた・・・


厄介な配線と配管を接続して完了。
軽から比べると倍近く重いから大変だw